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  • DOCTOR'S COLUMN
24.02.02|"日本矯正歯科学会 臨床指導医(旧専門医)" 無事合格しました!

昨年の'23 日本矯正歯科学会 in新潟 その1の続きです。
昨年11月のコラムでも少し書きましたが、
"日本矯正歯科学会臨床指導医(旧専門医)"無事合格し、資格証を頂きました!!!!
本当に厳しく大変な過程でしたので、思う存分書かせて頂きます(笑)

臨床指導医になるためには、まず日本矯正歯科学会”認定医”であり、認定医資格を取得後、2回以上更新試験に合格していること。また、最近10年以内に矯正臨床に関する論文、著書または学会発表があること。また、症例の提示と試問審査試験に合格し、さらに、学術大会においてこれらの症例報告を行う必要があります。

どのぐらい大変かというと、まず症例を10症例提出しなければなりません。
10症例はそれぞれカテゴリーが決められていて、
課題症例番号1 凸凹の症例もしくは上下顎前突症で、抜歯して治療した症例
課題症例番号2 出っ歯で下あごが小さい傾向。(下顎の角度が急で、何度以上とか決められています。)
課題症例番号3 出っ歯のケースで、抜歯して治療した症例
課題症例番号4 反対咬合(受け口)の症例
課題症例番号5 矯正治療で比較的治療が難しいアングルII級2類という、前歯のかみ合わせが深い症例
課題症例番号6 開咬症例(前歯のかみ合わせが浅い症例)
課題症例番号7 早期治療症例(子供の準備的な1期治療から始め、2期治療まで行った症例)
課題症例番号8 顎変形症(外科手術を併用した症例)
課題症例番号9 術者の技能が十分に示される症例
課題症例番号10術者の技能が十分に示される症例
ただ、症例がすべて揃ったからと言ってそれで合格するわけではありません。
厳しい試験が待っております。

まず6月に1次試験として、10症例の治療前後および装置を外してから2年後以上経過した3パターンのお口の中の写真やレントゲンの重ね合わせ、それを元にした分析結果や考察などをフォーマットに従い作成して提出します。
1次試験が通過できると、次に2次試験が、翌月7月に2日間行われます。
1次試験よりさらに細かくまとめた資料に加え、治療前後及び装置を外してから2年後の模型3組をそれぞれ10ケース展示し、治療の仕上がりや安定度、分析結果、治療方針や考察が的確か、正確な資料採得を行っているかなどをかなり詳しく、細かくチェックされます。
どのくらい細かいかと言うと、例えば模型の審査では直径1mmの針金を上と下の歯型を咬ませた状態の歯の隙間に通します。
この針金が通ってしまうと上と下の歯が緊密に咬み合っていないことになりますから、評価が低くなり不合格です。それをすべての治療後の模型でチェックされます。
また、2日目には口頭試問があります。
なぜこのような治療方針にしたのか、その結果を踏まえての反省点や考察など、試問されます。
試問終了後、10ケース分の資料、模型等をスーツケースに詰めて電車で帰るわけですが、さすがにこの日は疲労困憊でした。
そしてこれに通過すると昨年コラムに書いたような3次試験が、日本矯正歯科学会大会の会場内であります。
10症例分のファイルと指定された5症例分の模型を会場に展示して一般公開します。
3次試験では口頭試問はなく、展示してしまえば後は特にやることは無いのですが、時間のある時に展示室を覗くと、多数の先生方が、二時試験の合格者の展示ファイルや模型を真剣に見られているので、多少緊張したまま2日間を過ごし、学会閉会とともに資料をスーツケースに詰めて撤収です。
あとは、資格証の到着を待つのみでした。

受験の用意をするだけでも大変な試験ですから、毎年わずかな合格者で、この臨床指導医制度(旧専門医制度)は2006年に設立され、2024年現在、臨床指導医を取得している先生は全国で381名いらっしゃいますが、日本矯正歯科学会会員数は現在7000名超、認定医の数が2748名と比べますと、わずか約5%と、かなり狭き門です。
また、取得したら終わりというわけではなく5年間に3症例の症例報告を継続しなければなりません。
そして当然診査診断の整合性及びきれいに仕上がっていないと専門医ではなくなります。私の登録証の番号が416番で、現在専門医が381名ということは既に35名の先生が臨床指導医の更新をされていないことになります。
常に高いレベルを保つために、日本矯正歯科学会臨床指導医を取得しているうちは、この更新試験を受け続けなければならないのです。
昨年のWBLO合格に続き、今後も日本矯正歯科学会 臨床指導医の名に恥じないよう矯正歯科治療 精進して参ります!

https://www.jos.gr.jp/roster

 
 
 
矯正歯科医会